妊娠されている方は歯科治療に不安を感じていると思います。しかし、麻酔などを使用しない基本的な治療であれば、妊娠中でも受けていただくことができます。
女性ホルモンの分泌量が増加したり、唾液の分泌量が減少したりするためにお口の中で様々なトラブルが起こりやすくなります。妊娠中のお口のトラブルは早期のうちに解決されることをおすすめします。
虫歯の原因菌であるミュータンス菌は、特に密接に接触をするお母様から赤ちゃんにうつることがありますので、出産後の育児などで忙しくて通院が難しくなる前に、ミュータンス菌を減少させるように努めましょう。
麻酔薬は微量ですが胎盤を通過します。他の薬と同じように妊婦さんに対する安全性は確立されていませんが、2%エピネフリン含有リドカインを使用する限り、妊婦さんと非妊婦を区別する科学的根拠もありません。
局所麻酔薬は世界中で使われている歴史ある安全な部類に入る薬で、歯科治療で使用される局所麻酔は患部周辺にしか停滞しないため、赤ちゃんに影響がおよぶことはないとされています。
しかし、妊婦さんに不安や精神的なストレスを与えないために、胎児の器官が形成される2~4ヵ月は緊急性がなければ避けるようにしています。
歯の根の治療の際、根の中に使われる薬がありますが、使用量はほんの微量ですが組織刺激性の強い薬があります。
妊婦さんには組織為害性の少ない水酸化カルシウムペーストでの治療が基本です。
代表的な鎮痛薬はロキソニン、ボルタレン、バッファリン、カロナールなどになります。
カロナールは他の薬剤に比べると鎮痛効果はやや劣りますが一番安全性が高い薬です。
妊婦さんに対してはファーストチョイス(最初に選択されるべき治療法)になります。
ロキソニン | 妊婦(妊娠末期)..妊娠末期のラットに投与した実験で、胎児の動脈管収縮が報告されている。 |
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ボルタレン | 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。〔妊娠中の投与で、胎児に動脈管収縮・閉鎖、徐脈、羊水過少が起きたとの報告があり、胎児の死亡例も報告されている〕 |
バファリン | 出産予定日12週以内の妊婦には投与しないこと。〔妊娠期間の延長、動脈管の早期閉鎖、子宮収縮の抑制、分娩時出血の増加につながるおそれがある〕 |
カロナール (アセトアミノフェン) |
人での危険性の証拠はない。 |
数ある抗生物質の中でもペニシリン系・セフェム系抗生物質は短期間の服用であれば比較的安全性は高いと言われています。
キノロン系の投与は禁忌です。
当院では、高感度・高性能のレントゲン器械・防護エプロンを使用することにより患者さんの安全を確保しています。
一般に公開されている歯科のX線被曝量は防御エプロンを装着しない数値であり、エプロン下の放射線量は限りなく0に近いため計測不能です。
防御エプロンを装着してのレントゲン診査は非常に少ない被曝量なので安心して検査をうけていただけます。
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